サービスで陥りがちなプロネーションの勘違い
サービスは腕を回内、回外する動きが必要になります。
いわゆる、プロネーションと呼ばれる動きです。
この動きをする事でラケットヘッドの動きが大きくなり、その分、効率よくボールを飛ばす事ができます。
また、回転をかける為にも必要になります。
ただ、多くのテニスコーチ、テニスプレーヤーは大きな勘違いをしています。
それは、この動きを身につけていく過程です。
この勘違いを解消しなければ、サービスの動きは良くなりません。
ちなみに、先日、こんな質問をいただきましたのでご紹介したいと思います。
おはようございます。
何時もとても注意深く読ませて頂いています。
今日もメルマガの「車の外と中」を読ませて頂きました。
毎回内容が核心を突いたもので、何時も「そうか!そうなんだ!」となんか心の目が開いた様に感じています。
今回の件も私もサーブの打点の一瞬は、初めて聞く表現ですが結果として、「体温計を振る動き」になっており、今手を動かしてみると意識して行っているように思います。
それでスライス回転が掛かると思い込んで行っています。
それが「それは身体が学ぶ事であって、真似て覚える物ではないのです。」
と言われても、意識しないと出来ない動きではないかと思うのですが・・。
それが違うということになれば・・・・。
スライス回転が掛かるボールが出るまで自分で考えながら練習することですかね。
結果として、手の動きを意識しないのに「体温計を振る動き」(この動きが間違っていないのであれば、ですが)になっていた!と言うことであれば良い、と言うことでしょうか?」
「いつもメルマガ講読ありがとうございます。
さて、今回のご質問ですが、まず、結論から言うと、いわゆる回内、回外(体温計の動き)は意識しないと出来ない動きではないんですよ。
とても自然な動きで誰でも出来る動きです。
その証拠と言ってはなんですが、体温計を振ろうとするとみんな自然と回内、回外運動をします。
だからこそ、「体温計の動き」として紹介されているわけですが。
また、ドアノブを回す動きも実はとても良く似ています。
ドアノブを回す事は誰に教わるわけもなく、自然と誰もがしていますよね。
ですから、本来はサーブでも体温計の動きを誰もがするようになるはずなんです。
ところがそれを邪魔する間違ったイメージや意識があります。
それは
「ボールをコントロールしたい」
「ラケットの真ん中に当てたい」
「良い打ち方をしたい」
・・・・
などです。
原因になる間違ったイメージや意識は人によって様々で無数にあります。
ですが、これらが本来は自然に出来るはずの動きを邪魔します。
それが本来の動きを身につける事ができない一番大きな原因です。
ですから、本来は邪魔しているイメージや意識を取り除いてやる事が大切になります。
ところが、多くのテニスコーチはそうではなく、さらに意識して練習するように指導します。
その為に、プレーヤーは迷路には迷い込むわけです。
焦る気持ちを少し横に置いて、何も考えず、何も期待せず、ただ、「無心」になって、ボールに集中し、練習していると自動的に本来の動きが出始めます。
そして、結果としてその動きを身につけていきます。
ちなみに野球の世界で「千本ノック」と言われるとても厳しい練習がありますが、これはとても理に適っています。
苦しくて何も考えられなくなって、どうでも良くなった時に頭や意識は邪魔しなくなります。
その為に、身体が自然な動きが出来るようになるわけです。
これはスライス回転のボールについても基本的には同じです。
頭で「考える」のではありません。
考える代わりに飛んで行くボールを注意深く観察してください。
ボールには必ず何らかの回転がかかっています。
無回転で飛んで行く方が珍しいです。
ボールを観察し、その回転とインパクトの感触を感じていると、どんな感触の時にどんな回転をするのかが徐々に分かるようになります。
これがヒントになって、身体がどんな捕らえ方をすればスライスサーブになるかもわかります。
そして、その結果、「体温計の動きに自然になっていた」と言う感じで上級者たちはスライスサーブを身につけていきます。
良かったら参考にしてみてください。」