ショートラリーが苦手という方は

ショートラリーが苦手という方は

テニスのウォーミングアップにはショートラリーが良く使われます。
テニススクールやクラブなどでも使われる事が多いと思います。
ですが、案外、この「ショートラリーを苦手」と言う方は少なくありません。

 

ちなみにショートラリーが苦手な人には大きく二つの悩みがあります。
これはフォアストローク、バックストローク、どちらもあまり関係がありません。
どちらも共通して起こる可能性があります。

 

1.ボールが飛びすぎてアウトしてしまう事
(アウトが気になってボールの弾道が低くなってネットミスが多いケースもあります)
2.打点が遅れて、気持ち良く打てない事。

 

他にもいくつかの悩みはあると思います。
「どれぐらいの力で打てば良いかわからない」
「回転をかける事が出来ない」
「正しいスイングが出来ない」

 

ただ、これらの悩みの原因も実は上記の二つに集約されます。
なので、上記の二つの悩みが解決されると自然とこれらの問題も無くなります。

 

では、この二つの悩みの原因は何か?

 

・飛んで来るボールの距離や弾みがよく分からない
・飛んで行くボールの距離感がよく分からない
・いつも同じ正しいスイング、正しい打点で打とうとしている
・ボールにスピンをかける事で距離を短くしようとしている

 

これらがショートラリーを苦手にしている理由です。
ちなみにこの理由に共通して言える事は「ボールの距離に対しての情報が無い事」です。

 

飛んで来るボールや飛んで行くボールの距離。
スイングの強さや大きさとボールの距離の関係。
ボールの回転と飛んで行く距離の関係。

 

これらの感覚が無い為に、ショートラリーがとても難しい物になっているのです。
逆に言えば、ボールの距離に対する感覚が身に付くとショートラリーはとても簡単に出来るようになります。

ショートラリーのコツ

ショートラリーが上手くなるコツは下記の3つです。

 

1.ポジション
2.ボールへの集中力
3.触覚によるボールを飛ばす距離感

 

これらを身につける事が出来れば、ショートラリーはとても簡単に上達します。

 

1.ポジション
ボールに対して構えるポジションは、ボールとの距離感やタイミングを掴む為にはとても重要なポイントです。
ポジションが悪い為にいつまでもボールが飛んで来る距離やタイミングが分からないプレーヤーは少なくありません。
その為に、まずはショートラリーをする時に「どこで構えているか?」をチェックしてみてください。
そして、サービスラインに近い位置に構えているなら、もっと後ろで構えるようにします。
目安としてはサービスラインとベースラインの中間あたりです。

 

2.ボールへの集中力
相手のボールが「どれぐらい飛んできて、どれぐらい弾むのか?」
これが分からなくては、ボールに合わせて動く事もタイミングを合わせる事も出来ません。
ショートラリーが苦手な方のほとんどがタイミングが遅れて、ボールが自分が思っている以上に飛んで行ってしまいます。
この問題を解決するのに最も重要なのがボールへの集中力を高める事です。
ボールへの集中力が低いと飛んで来るボールの距離や弾みはいつまでも分かりません。

 

3.触覚によるボールを飛ばす距離感
自分が打ったボールが飛びすぎないようにする為に最も大切な感覚は触覚です。
ボールをインパクトした時の衝撃の強さはボールが飛んで行く距離に一番大きく影響を与えます。
簡単に言えば、打球感の手応えが大きければ、ボールはたくさん飛んで行き、逆に手応えが小さければ、ボールの距離は短くなるという事です。
飛んで行くボールの距離感を掴む為にはインパクト時のボールの衝撃の強さを触覚で敏感に感じる事が重要です。
衝撃の強さと飛んで行くボールの距離の感覚が分かれば、自分で飛ばすボールの距離をコントロールする事が出来るようになります。

 

ちなみに具体的な練習方法をこちらにまとめてありますので、「ショートラリーが苦手」と言う方は参考にしてみてください。
上記の三つのコツを簡単に見つける事が出来るので、短時間で劇的に上達する事が出来ます。

 

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ショートラリーの参考動画

ショートラリーの為にとても参考になる動画を見つけたので、ご紹介します。
これはTommy Haas(トミーハース)がショートラリーでウォーミングアップをしている動画です。
ショートラリーから始まり、段々と後ろに下がり、最終的にはベースラインまで下がってラリーを始めています。
フォアストローク、バックストローク共に、とても丁寧にボールをコントロールしています。
また、自然に最適な打点でボールをヒットしている事がとてもよく分かります。
当然と言えば、当然の事ですが、不自然な調整やタイミングのズレが全くありません。

 

さて、この動画で特に参考にしていただきたい部分をご紹介します。
それはトミーハースのポジションです。
彼がサービスラインからかなり後ろに構えている事が一目でわかると思います。
サービスラインとベースラインの真ん中あたりです。

 

これはライジングでボールを取らずに、一番基本的な打点でボールを確実に捕らえる為です。
インパクトで自然と力が入る正しい打点を身につける為にはライジングでなく、彼のようにサービスラインから離れて構える必要があります。

 

ところが、このポジションを勘違いしている方が非常に多いです。
だいたいの方がサービスラインのすぐ近くに立ってショートラリーをします。
これはとても難しい方法です。

 

この場所に構えるとボールがバウンドする位置に非常に近く、どのほとんどをライジングで捕らえる必要があります。
その為に、正しい打点やタイミング、ボールが飛ぶ距離などの感覚をいつまでも掴む事が出来ません。

 

まずは、トミーハースのようにサービスラインから離れて構えてみてください。
これだけでも相手から飛んで行くボールの観え方が全く変わります。

ショートラリーにスピンは必要か?

次に見て欲しいのがスイングと回転の量の関係です。
彼のスイングを見ると、ヘビーなトップスピンをかけていないのが一目で分かると思います。
もちろん、フォアストローク、バックストローク共に自然なトップスピンはかかっています。
ですが、ラケットヘッドを下げて下からボールを持ち上げるようなスイングはしていません。

 

腕のスイングに頼らず、身体全体の動きによって、自然にラケットが後ろから前に移動します。
そして、ボールも不要なスピンがかからずに安定した弾道と距離でショートラリーをしています。

 

一般的にはショートラリーではボールを飛ばす距離を短くするためにトップスピンをかけるように練習する事がとても多いです。
ですが、それは大きな勘違いです。
トップスピンをかけたからと言って距離が合うわけではありません。
ショートラリーの為にはスイング全体のエネルギーをコントロールして、ボールを飛ばす距離を安定させる必要があります。

 

つまり、極端に言えば、ショートラリーにトップスピンは必要がありません。
もちろん、ショートラリーを使って、トップスピンを練習する事はとても効果的な練習です。

 

ですが、トップスピンをかける事が距離を短くする事ではありません。
また、ショートラリーに必要な事ではないのです。
この勘違いには注意してください。

 

あくまでもショートラリーで大切な事はボールを飛ばす距離と飛んで来る距離を正確に感じ、身体全体を自然に使ってボールをコントロールする事です。

ショートラリーの意味と効果

ショートラリーはウォーミングアップだけではなく、テクニック練習として取り入れるととても効果的です。
特に繊細なタッチを必要とするショートクロスのショットやトップスピンの練習などはショートラリーを使って始めると短時間で習得する事が出来ます。
また、ショートラリーを使ってのミニゲームもゲームのイマジネーションを膨らませるにはとても効果的です。

 

これらに共通して言える事はボールをコントロールする事が比較的容易だからです。
理由はノーマルテニスよりも距離が短く、ボールの変移や変化が少ないからです。

 

打ち合う距離が長くなるとそれだけ、ボールは不安定になりやすく、変化も大きくなります。
その為にどうしても、ボールに集中しにくくなる傾向があります。

 

その点、ショートラリーは比較的簡単にボールを安定させる事が出来ます。
それがボールへの集中力を高め、新しいショットのイメージやゲームの配球のイメージなどを湧かせやすくしてくれます。

 

もちろん、ショートラリーばかり練習していてはボールを強く打てないなどの弊害も出てきます。
ですが、ショートラリーには短期間でショットのバリエーションを増やしたり、ボールへの集中力を高める効果が期待出来ます。
ぜひ、上手く取り入れて欲しい練習方法です。

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