フォアハンドが振り遅れる方にお伝えしたい事
テニスのミスで最も多い原因は「振り遅れ」です。
「振り遅れ」は打点の詰まりにも繋がり、テニスの上達を邪魔する最も大きな原因です。
ですので、出来るだけ早く解消しておきたいところです。
そこで、今回はフォアハンドストロークが振り遅れる原因とその改善法についてお話しします。
実は一口に「振り遅れ」と言っても、大きな原因が二つあります。
振り遅れで悩んでいる方のほとんどがどちらか、または、両方の原因によって振り遅れの状態になっているはずです。
ちなみに、これら二つの原因は次元が全く違うので、原因を見誤るといくら練習しても問題は解説しないので注意が必要です。
まず、フォアハンドが振り遅れる原因を正しく見極める必要があります。
フォアハンドが振り遅れる原因には大きく二つあります。
振り遅れを改善するにはまず、本当の原因を正しく見極める必要があります。
では、その二つを解説していきます。
あなたはどちらに当てはまるか?または、両方に当てはまるか?
チェックしてみてください。
まず、一つ目は「ボールへの集中力が低い場合」です。
このケースは相手から飛んで来るボールに対して、集中力が低いために、時間や距離、タイミングがズレて振り遅れてしまうケースですね。
それに対して、もう一つのケースは「動作に問題がある場合」です。
打点は身体の動きによって、自然に決まります。
これは時間とは全く関係がありません。
つまり、正確に言えば、この場合は振り遅れているわけではなく、「打点が詰まる身体の動き方をしている」と言えます。
振り遅れを改善するにはこの二つの原因を見極める事が大切です。
時間的な遅れが原因の場合は、身体の動きをいくら練習しても結果は変わりません。
逆に身体の動きが原因なら、いくら早くテークバックをしても結果は変わりません。
もちろん、両方が原因になっている場合であれば、どんな練習をしてもある程度は改善されます。
ですが、気持ち良く打てるレベルになるのは難しいです。
一口に「振り遅れ」と言っても様々な症状があります
一口に振り遅れと言っても、その原因によって、様々な症状があります。
代表的ないくつかの症状を紹介します。
ボールへの集中力が低い場合
・テークバックの初動が遅れてしまうケース
テークバックは「速く準備する」のではなく、「早く準備する」必要があります。
そして、その「早さ」とは相手のインパクトの瞬間です。
無理なく「早く」準備するには相手がインパクトした瞬間から身体がテークバックを始める必要があります。
ところが、ボールへの集中力が低いと相手のインパクトに合わせてテークバックを始める事が出来ずに、ボールがネットを超える時や地面にバウンドする時にテークバックが始まります。
この状態では動きに問題が無くても、振り遅れてしまいます。
・ボールとの距離感が分からずに振り遅れてしまうケース
ボールが飛んで来る距離や弾みが分からないとボールとタイミングを合わせる事が出来ません。
この場合はインパクトのタイミングが狂うので、ラケットを早く引いて、ボールを良く見ても結局は振り遅れる事になります。
また、このケースのもう一つの特徴は打点の高さや距離などにも大きなズレがある事です。
感覚的にボールをどこで打って良いか分からず、とにかくいつもボールが打ちにくいという特徴があります。
動きに問題がある場合
・ボールの難易度に関わらず、いつも振り遅れるケース
ボールが緩くて簡単なボールであるにも関わらず、いつも振り遅れるケースがあります。
このケースは正確には振り遅れているわけではありません。
詰まった打点で打つような身体の使い方をしている事が原因です。
言い換えれば、「詰まった打点でしか、打ちようがない身体の使い方をしている」とも言えます。
このケースはテークバックの方法に問題がある事がほとんどです。
・打点が遅れているようには見えないが、ボールに勢いが出ない
このケースは一見、振り遅れているようには見えないが、ボールが勢いよく飛んで行かないのが特徴です。
見た目には振り遅れているように見えないので、良く勘違いされますが、原因は身体の使い方に問題ある為に、打点が詰まっている事です。
ただし、一見すると打点が遅れているようにも見えません。
ところが、実際には関節や骨の位置が正しい位置に収まっていないので、身体が弱い状態になっています。
その為に、「スイングスピードの割にはボールが飛ばない」と言う特徴も持っています。
・一見、タイミングは合っているように見えるがボールコントロールが不安定
タイミングが合っているにも関わらず、ボールコントロールが不安定なケースがあります。
このケースの場合、ほとんどが狙った位置よりも右のほうへ飛んで行く(右利きの場合)のが特徴です。
その為に、「振り遅れて右に飛んでいる」と勘違いされがちです。
ところが、実際にはこれは「振り遅れ」ではありません。
タイミング自体は合っています。
ですが、身体の使い方を勘違いしている為に、インパクトでラケットがボールに負けて、ボールが右に飛び出してしまっているのです。
その為に、逆にタイミングを早くすれば、今度は左に飛んで行くと言う現象が起こります。
いずれにしても、タイミングは合っているので、動きに問題があるケースと言えます。
・トップスピンが打てない
振り遅れが原因でトップスピンが打てないケースがあります。
本来、タイミングよくボールを捕らえる事が出来れば、スイングのエネルギーを自然と伝える事が出来ます。
また、この時、ラケットをボールよりも上方に振りぬく事はとても簡単な事です。
ラケットがボールよりも上方に振りぬく事が出来れば、自動的にボールにはトップスピンがかかります。
ところが、身体の動きに問題があり、振り遅れていると自然なスイングプレーン上にボールを呼び込む事が出来ず、トップスピンが打てなくなります。
また、このケースはボールがフラット、またはスライスで直線的で低いボールが飛んで行く特徴があります。
・スイング軌道を勘違いしているために起こる振り遅れ
このケースはトップスピンを打とうとして、「ラケットヘッドを下げる」または「スイング軌道を下から上に振ろうとする」事が原因で起こる振り遅れです。
本来、トップスピンはラケットヘッドやスイング軌道を下から上に振る物ではありません。
自然な身体の使い方でタイミングよくボールを捕らえると自然とトップスピンはかかる物です。
ところが、このような方法でトップスピンを打とうとするとボールとのタイミングを合わせる事が非常に難しくなり、振り遅れの原因になります。
このケースの特徴はインパクト時にラケット面の少し上部にボールが当たってしまう事が多い事です。
また、相手のボールが緩い時は問題がないのにも関わらず、少し速くなると振り遅れの症状が顕著に現れます。
その為に、ペースの速いラリーが苦手と言う特徴もあります。
いずれにしても、原因は身体の使い方を勘違いしている事です。
具体的にフォアハンドが振り遅れる原因を改善するには?
では、一体どうすれば、具体的にフォアハンドが振り遅れを改善する事が出来るのか?
先ほども言ったように一口に振り遅れと言っても、症状と原因は様々です。
その為に理想を言えば、それぞれの症状と原因に合わせて、対処していく必要があります。
ですが、自分1人でこれらの原因と症状をチェックし、改善していく事は現実的には非常に難しいです。
そこで、1人でも練習しても、効果が出やすい代表的な方法をご紹介します。
「ボールへの集中力が低い場合」
相手のインパクトの時にボールだけに目の焦点を合わせます。
頭で何も考えない事が一番のポイントです。
頭で何かを意識していると目からの情報は遮断され、ボールの動きを感じる事が出来なくなります。
ボールが良く観えるようになったら、それに合わせて、身体全体を準備する動きに入ります。
相手コートから自分の打点にボールが到達するには非常に長い時間があります。
ですから、「速く」テークバックをする必要はありません。
むしろ、動きはゆっくりでも構いません。
相手のインパクトに合わせてテークバックを始めるようになると動き出しが「早く」なり、ゆっくり動いてもボールに振り遅れる事が無くなります。
また、インパクト後のボールに対しても、目でボールを追い続けるようにします。
そうすると相手のボールが自分のほうに迫って来るにつれて、自分との間合いが詰まっていく事がよく分かります。
後は、打ちたくなった瞬間にボールを打ちます。
この打ちたくなる瞬間を「生理的ヒットポイント」と言います。
この生理的ヒットポイントを感じる事が出来れば、振り遅れる事は無くなります。
「動きに問題がある場合」
正直なところ、身体の動きを一人で改善するのは非常に難しいです。
と言うのは、現状の打ち方は自分のイメージ通りに打っているからです。
つまり、イメージ自体に問題があります。
ところが、自分ではそのイメージのどこに問題があるのかに気づく事はほぼ出来ません。
その為に、自分で正しい打ち方に変える事はビデオなどを使い客観的に見る以外はほぼ不可能です。
ですが、一つだけ、とても分かりやすく自分でもチェックする事が出来るポイントがあります。
それは、テークバック完了時のラケットヘッドの位置です。
この位置が最低でも、自分の背中側に行かないように、出来れば、胸側に残っているとベストです。
その為には、テークバック時の腕の動きと身体の動きの順番を変えるようにします。
テークバックが大きくなる傾向があるプレーヤーは「腕を引く⇒身体を横に向ける」
こんな順番になっています。
それを「身体を横に向ける⇒腕を引く」の順番に変えます。
そうすると腕をそれほど、引く必要が無い事に気づき始めます。
この部分が改善されるだけでも身体の動きは大きく改善されます。
このポイントを改善し、より打点を前にしたい場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
⇒ 「もっと前で打つフォアハンドストロークを身につけるには?」
打点が自然と前になるポイントを紹介しています。
以上がフォアハンドが振り遅れる原因についてです。
ただ、打点と振り遅れの関係は非常に繊細で、こちらで紹介した内容はポイントのほんの一部です。
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