打点が詰まらずに、気持ち良く打ちたいなぁ・・・
「スパッ!と気持ち良く打ちたいなぁ・・・」
「どうやって振れば、いつも気持ちよく打てるんだろう?」
「いつも窮屈で気持ち悪いなぁ・・・」
「もっと前で打ちたいなぁ・・・」
「打点が悪いから、詰まるのかなぁ・・・」
あなたはこんな事を感じる事はないでしょうか?
テニスはタイミングよく、詰まらずに打てた時は本当に気持ちが良い物です。
身体には何の違和感も残らず、ただ、心地良さだけが残ります。
そして、何とも言えない爽快感があります。
この心地良さが楽しくて、テニスをする方も多いのではないでしょうか。
実は私がテニスを始めたのも、テニスボールを打つ時の爽快感がきっかけでした。
ただ、逆に上手く打てない時はとてもストレスです。
身体のどこかに詰まった感じや、重たい感じがあって、身体の動きもギクシャクします。
ちなみに、そんな時、テニスコーチはこんなアドバイスをします。
「打点をもう少し前にして打ちましょう」
「リラックスして大きく振りぬきましょう」
「左手でボールとの距離を測って打ちましょう」
「もっと早くテークバックして、振り遅れないようにしましょう」
一般的にはこんな感じで打点が遅れないようにするアドバイスをされると思います。
ですが、実際に試してみてください。
残念ながら、これらのアドバイスでは詰まらずに気持ち良く打てない事が分かると思います。
理由は簡単です。
打点が前になるだけでは心地良く打てないからです。
多くのテニスコーチ、テニスプレーヤーは打点が遅れる事が詰まる原因だと考えています。
ですが、これは勘違いです。
本当の理由はそうではありません。
もちろん、打点が遅れる事は詰まる原因の一つではあります。
ですが、本当の原因はそうではありません。
もっと、別の本質的な原因があるのです。
その原因とは意識の方向性です。
私達の意識は一つの事にしか向ける事が出来ません。
例えば、今、あなたはこの文章を読んでいます。
この時、「右手がどうしていたのか?」分からなかったと思います。
ですが、これを読んだ瞬間に右手の存在を認識します。
ところが、右手の存在を認識している時、左足の認識はありません。
そして、左足を意識した瞬間にその存在を認識します。
そうして、左足を認識していると、また、右手の認識が無くなります(笑)
私達の意識と身体はこんな風に出来ています。
つまり、意識は一つの物(事)にして向ける事が出来ないのです。
さて、話を元に戻します。
実はテニスボールを打った時に感じる心地良さや爽快感はボールに集中している時だけに感じられる物です。
ボールの打ち方や身体の動きを意識している(認識している)時、私達は身体の感覚を感じてしまいます。
この時、ボールへの集中力が低下します。
その為にボールを打つタイミングが微妙に狂います。
その為に、身体の違和感を感じてしまうのです。
これが打点の詰まりや重さなどの心地悪さです。
ところがボールの打ち方や身体の使い方に意識を向けず、ボールに集中するとボールと同調し、タイミングよくボールを打つ事が出来ます。
この時、意識はボールに向いているので、身体の動きを認識する事が出来ません。
その為に、打ち終わった後の気持ち良さ、心地よさ、爽快感だけが残るのです。
ですから、気持ち良く打てた時は「どうやって打ったか?」が分からないのです。
と言うよりも、「どうやって打ったか?」かが分からないから「心地良さが残る」と言った方が良いかもしれません。
ところが、先ほどもお話したように一般的には「打点に前にする」「テークバックを早くする」などボールの打ち方や身体の使い方を改善しようとします。
これでは、いつも自分の意識は身体に向く事になります。
その為に、ボールに集中できず、いつもボールとのタイミングは狂ってしまいます。
つまり、いつまでも気持ち良く打てないと言う事になるのです。
気持ち良くボールを打つ為にはボールとのタイミングが全てです。
どんなに正しい打ち方をしても、タイミングが狂えば、必ず、ボールの重さや身体の詰まりを感じます。
ですが、どんな打ち方でもボールとのタイミングが合えば、気持ち良く打つ事が出来ます。
これが気持ち良くボールを打つ為の秘訣です。
これ以外に方法はありません。