磨き
今回の課題は「磨き」です。
言葉の通り、何かを磨く事を今回の課題にしたいと思います。
金属でも、木材でも、革製品でも。
何でも構いません。
とにかく、何か、磨く対象を決めて、ただ、黙々とそれを磨きましょう。
この課題の最大の目的は集中力を上げる事です。
実践していただくと、体感すると思いますが、何かを磨いている時は余計な事を考えなくなります。
そして、心が落ち着きます。
まさに集中状態に入る事が出来ます。
また、磨きの効果は集中力を上げるだけではありません。
様々な副次効果を得る事が出来ます。
その中の一つが二者択一の考えとは違う感覚を身につける事です。
現代社会は二者択一の考え方にとても大きな影響を受けています。
「出来る、出来ない」
「正しい、間違っている」
「良い、悪い」
「右、左」
・・・・・
ほとんどの場合、この二者択一の考えで物事を測りがちです。
その為に、テニスも同様に二者択一で捉えがちです。
「正しい打ち方、間違った打ち方」
「良いボール、悪いボール」
「上手く出来たか、出来なかったか」
・・・・・
こんな感じですね。
ですが、テニスのパフォーマンスには、本来、このような物は存在しません。
全てがレベルアップの過程です。
例えば、ダイヤモンドはなぜ、あんなに綺麗に輝いているのか?
正しいから光っているわけではありません。
良いから光っているわけでもありません。
ただ、磨かれたから光っているのです。
ダイヤモンドの原石はただの石です。
この状態を見るとまさか、この石があれほど光り輝くとは、到底思えません。
では、この状態は、一体どんな状態なのか?
悪いのか?
間違っているのか?
出来ないのか?
・・・・
みんな違いますよね。
ただ、まだ、磨かれていないから。
それだけです。
「二者択一の考えから抜け出す」とはこういう事です。
テニスにも全く同じ事が言えます。
磨きが甘いとパフォーマンスも甘いです。
ただ、それだけです。
ですから、磨けば良いんです。
「良い、悪い」「正しい、間違っている」「出来る、出来ない」は関係がありません。
ところが、社会の常識が、あまりにも二者択一の考えに影響を受けているので、この価値観から中々、抜け出す事が出来ません。
そこで、今回の課題です。
「磨く」と言う行為に二者択一は存在しません。
この行為を繰り返す事で、感覚的に「磨く」意味を体感してもらえると思います。
10回磨けば、その事実がそこに存在します。
100回磨けば、その事実がそこに存在します。
ただ、それだけです。
100回に比べて、10回は悪いわけではありません。
10回に比べて、100回が優れているわけでもありません。
ただ、磨いた事実がそこに存在するだけです。
この感覚は中々頭で理解できる物ではありません。
集中力に関しても全く同じ事が言えます。
集中できないから悪い訳ではありません。
集中する正しい方法が存在するわけでもありません。
また、間違った集中が存在するわけでもないんです。
ただ、集中状態をどれぐらい体験するか?
これが大きなポイントです。
これと同じ事がテニスにも言えます。
二者択一の考えから抜け出す事はテニスの感覚を大きく変えてくれます。
そこで、今回は「磨き」を課題にして、磨く感覚を身につけて欲しいと思います。
そして、それを集中力、またはテニスに活かしてほしいと思います。
具体的トレーニング方法
それでは、具体的な方法です。
方法はとてもシンプルです。
これから、30日間、磨く物を何か一つ、決めてください。
金属、木材、石、革・・・
何でも結構です。
お金でも、アクセサリーでも、または部屋の壁でも、何でもOKです。
とにかく、何か一つ決めましょう。
後はそれを磨く布を一つ用意してください。
これで準備は完了です。
準備が出来たら対象物を磨き始めてください。
磨き方にルールはありません。
ただ布で磨くだけでもOKですし、場合によっては洗剤や研磨剤を使っても構いません。
方法論にこだわらず、とにかく、ただ磨いていきます。
ただ、一点だけ注意する事があります。
それは「磨き」をする時間です。
磨き始め、集中力が高まると時間があっという間に過ぎます。
その為に、最初のうちは、タイマーなどを利用し、磨きをする時間を決めておくと良いと思います。
もちろん、時間に余裕があれば、その後も続けるのもOKです。
基本的には時間に制約もないのですが、他の日常生活に影響が出ないようにしてもらえればOKです。
それでは、これから30日間、「磨き」を続けていきましょう。