メンタルトレーニング講座 呼吸とボール積み

呼吸

呼吸とは?

呼吸は人にとって、生命の維持に欠かせない物です。
呼吸が止まれば、体内に酸素を取り込む事が出来ずに生きていく事が出来ません。

 

その為に、人は特別に意識する事無く、自動的に呼吸する事が出来ます。
これは心臓や内臓の働き、体温調節や免疫機能等の働きと同じです。
これらの生命維持に関する働きは、潜在意識によってコントロールされているおかげで常に自動的に働いてくれます。

 

ところが、呼吸に限っては他の働きとは少し違うところがあります。
それは、意識的にコントロールする事が出来る事です。

 

心臓や内臓、体温調節などの潜在意識にコントロールされている働きは基本的に意識して働かせる事が出来ません。

 

「心臓の動きを速くしてください」
「体温を1℃上げてください」
と言われても、これは中々出来る事ではありません。

 

ところが、呼吸だけは意識、無意識の両方で働かせる事が出来るのです。
実はこの事がメンタルトレーニングに非常に大きく関係しています。

 

しなやかで強いメンタルタフネスの為には集中力を高める事が必須です。
また、集中力を高めるにはリラックスする事がとても重要です。

 

そこで大きな鍵となるのが呼吸です。

 

呼吸は吸う時と吐くがありますが、これらは二つの働きに分かれています。
吸う時は活動系の神経が優位に働きます。
それに対し、吐く時はリラックス系の神経が優位に働きます。

 

その為に、意識して吐く時間を長くする事でより大きなリラックス効果を得る事が出来ます。

 

世の中には非常にたくさんの呼吸法があります。
その方法は多少違う事はあっても、基本原則は同じです。

 

それは吐く事でより大きなリラックス効果を得ようとしている事です。

呼吸法

呼吸法は、胸式呼吸と腹式呼吸の二つに分ける事が出来ます。
呼吸は肺に空気を取り込む働きですが、この両者はその取り込み方が違います。

 

胸式呼吸は胸骨を膨らませる事で肺に空気を取り込みます。
この時、肋間筋を使う事になるのでそれなりのエネルギーが必要になります。

 

ところが、腹式呼吸は横隔膜を下に下げる事で肺を膨らませます。
その為に、胸式呼吸に比べるとよりエネルギーを使わずに深く呼吸する事が出来ます。

 

その為に、リラックスを目的にした場合、腹式呼吸がとても効果的になります。

腹式呼吸の方法

今回の課題は腹式呼吸です。
その方法をご紹介します。

 

・軽くおなかに手を当てます。
・口からゆっくりと息を吐いていきます。
・肺の空気を全て吐き出す事をイメージし、6秒ほどかけて吐き切ります。
・その時、おなかに当てた手で、おなかが凹んでいく事を感じます。
・約3秒かけて、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
・お臍の下が膨らんでいくイメージをしながら、手でおなかの動きを感じます。
・この手順を繰り返します。

 

腹式呼吸の効果

腹式呼吸はリラックス系の神経である副交感神経を優位に働かせる事が出来ます。
その為に、集中力を高めるだけではなく、様々な効果が期待できます。

  • 代謝がよくなる
  • 免疫力がアップする
  • 内臓機能が向上する
  • アンチエイジングの働きを高める
  • 血液やホルモンの流れが正常化する

ボール積み

ボール積みと脳波

いつでも簡単に集中力を高めるトレーニングとして「ボール積み」をご紹介します。

 

方法はいたって簡単です。
右の画像のように、テニスボールの上にテニスボールを積み上げるだけです。

 

集中力を高める為には何も考えず、「無」の状態になる事が必要です。
頭の中で何も考えない「無」の状態になると脳波はα波と呼ばれる波形を示します。
このα波が優勢の状態が集中力が高まった状態です。

 

何かを考えたり、気になっている状態はβ波状態と呼ばれる波形が優勢になり、意識が分散している状態です。
この状態では集中力を高める事が出来ません。

 

一般的には「集中しよう」と意識する事が「集中力を高める事」と思われがちですが、これは大きな勘違いです。
実は「集中しよう」と意識すればするほど、集中する事が気になり、頭の中は「無」になる事が出来ません。
その為に結果的にβ波状態になります。

 

つまり、集中の世界から遠ざかる事になります。
集中状態は「集中する事」を忘れた時にやってきます。

 

このボール積みはそのような状態になる事が目的です。
ちなみにこのボール積みをしている時は脳波がα波優勢になる事が検証されています。
その為に、脳波を測定しなくても、ボールを積む作業をする事で、自然と集中力を高めるトレーニングと同様の効果が期待できるわけです。

ボール積みの方法とポイント

特別な方法は何もありません。
ただ、両手の指先でボールを優しく持ち、ボールの上に載せます。
何も考えず、ただ指先に触れるボールの感触を感じます。
そして、ボールが落ちようとする動きを感じ、バランスを取りながら、指を離していきます。
そうすると、ある瞬間にボールが落ちなくなります。

ボール積みのポイント

ボールを上手く積み上げるポイントは「載せよう」と意識しない事です。
「載せよう」「載せよう」と努力している間は頭の中は「無」になる事が出来ません。
これは「集中しよう」と意識する事が集中力を下げているのと同じです。

 

大切な事は「載せよう」と努力しない事です。
そして、結果を期待せず、忘れてしまう事です。

 

もちろん「ボールの上にボールを載せる」と言う目標は明確にする必要はあります。
ですが、実際に作業をしている時はその事を忘れます。
そして、ただ、ボールに優しく触れて、ボールのバランスを感じます。

 

「ボールを載せよう」としているのに、「載せる事を忘れる」
禅問答のようで矛盾に聞こえるかもしれません。

 

ですが、一見、矛盾に思えるような状態が集中の世界です。
集中力を高めるにはこの矛盾の世界を体感する事がとても大切です。

 

このボール積みはその体験をするにはとても効果的なトレーニングです。

ボール積みの意味

ボール積みその物には何も意味はありません。
ボール積みが出来たから何かが出来るわけでも、出来なければ、困るわけでもありません。

 

ただ、何も考えず、「無」になって、ボールを積んでいる状態を体験する事。
これこそが目的です。

 

ですから、ボール積みに意味を探さないでください。
ただ、意味もなく作業する事自体が大切なのです。

 

ちなみにこのトレーニングを実践すると、ボールを上手く載せる為のコツや方法を探したくなります。
「どうすれば、良いんだろう??」
「どうしたら、上手く載るんだろう??」
と考えてしまうわけです。

 

ですが、この誘惑に惑わされないでください。
この誘惑に惑わされると、どんどん集中の世界から逸れていきます。

 

このボール積みの目的は「上手くボールを載せる事」ではありません。
「何も考えず、無の状態で作業をする事」
これが目的です。
ですから、ボールが載ろうと載るまいとそれほど、気にする事はありません。

 

「ボールを載せよう」としているのに、「載せる事を忘れる」
この一見矛盾している状態を楽しんでください。

 

集中力を高めるには努力を手放す事が大切だからです。

トレーニングの手順

では、今回のトレーニングの手順についてご説明します。
できるだけ毎日、就寝前の10分の時間を割いてください。

 

1.まず、腹式呼吸を5分繰り返します。
2.次にボール積みを5分行います。

 

これが今回の課題です。
もちろん、就寝前だけではなく、時間があれば、何度でも実践していただいた方が良いです。
特に腹式呼吸は通勤、通学、休憩時間、仕事の合間の息抜きなど、ちょっとした時間を使えば、いくらでも実践が可能です。

 

腹式呼吸でリラックスする感覚を身に着けると、緊張をほぐす事がとても上手になります。
これはメンタルタフネスにはとても重要な力です。
楽しみながら実践してくださいね。

 

 

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